モンタージュ - 槇原敬之
あの坂を登れば
あのコが働いてる店
友達につきあっただけ
僕のワードロープじゃない
ひとめみたとき
僕は生まれて初めて
自分の耳が赤くなっていく
音を聞いた
恋をするつもりなんて
これっぽっちもないときに
限って恋がやってくる
思い出してみる
君がどんな顔だったか
凍りついてた心の
ドアをあっけなく開いた君
冷やかし半分の
友達の取り調べに
よけいにうまく行かない
君のモンタージュ
理屈を並べて
全てに答えを探して
方程式のないものは
あまり好みじゃなかった
それなのに今は
ふとしたはずみでやってくる
訳のわからない胸の
痛みを楽しんでいる
恋をしているのかも
本当はわからないけど
もう一度君に会いたいんだ
思い出してみる
君がどんな顔だったか
使い方の解らない
カメラでとったピンぼけ写真
友達のレジを
打つ横顔だけでは
やっぱりうまく行かない
君のモンタージュ
僕のハートを盗んだ犯人は
電車で二駅のところで
今日も笑ってる