恋する心達のために
槇原敬之
今まで会った誰とも
まるで違う君に
恋をしている自分を
認められれば楽なのに
何が変わってしまうのか
何を失うのか
起こりもしてない未来を
怖れて動けない
一人見上げた月の夜空
過ごした日々を思い返して
自分から手放す理由など
見つからなくて
ただ泣きたくなる
月よどうか今だけ
何処かに隠れて
束の間の暗闇を下さい
目に見えるものに邪魔されて
大切なものを見失いそうな
僕らの心のために
ただ嫌われたくなくて
傷つけたくなくて
ささやかなワガママさえ
飲み込んでしまうんだ
好きな人にふさわしい
自分なのかどうか
不安を今夜も抱えて
恋をする心達
一人見上げる月の夜空
体や服や目に見えるもの全部
置き去りにして目に見えない心だけで
この夜を飛んで行ければ良いのに
月よどうか今だけ
何処かに隠れて
束の間の暗闇を下さい
目に見えるものに邪魔されて
大切なものを見失いそうな
僕らの心のために
大事なもの以外捨てて
さぁ 心よ飛んで行け
月よどうか今だけ
何処かに隠れて
束の間の暗闇を下さい
目に見えるものに邪魔されて
大切なものを見失いそうな
恋する心達のために