雲海-柴田淳
この空に雲を描いて
光も夢も塗り潰せばいい
闇の中 彷徨う不安なら
痛いくらいに慣れているから
あなたの声に
耳を澄まし歩いたら
厚い雲は光を差し込んだ
眩い世界 目覚めた朝
あなたはこの手を
掴んでくれた
慣れぬ光に振り向いたら
あなたは私を突き放したのよ
舞い降りたこの地上には
哀しみばかり溢れてるのに
見上げればそれは美しい
青い空がただ続いている
あなたの笑顔
胸に突き刺したままで
眩しい空に
笑ってあげようか
私が見える?あなたの目に
私は見えない
なにも見えない
夢を描いたこの空から
あなたは私を突き落としたのよ
全てを隠した闇の中
あなたは誰かを愛していたの
雲に溺れたこの世界で
あなたは私を愛していたのよ