終焉の魔法、終天の真意。 - 春奈るな
蔦に絡まれた、この城の地下に在るという部屋に
魔法の根源である、“結晶”の中、貴方がいる。
もしも君が、彼を助けたい、と、
そう願うなら、“覚悟”をして
どれ程の絶望を抱え、ここで一人。
私の為、死んだのでしょう。
何を犠牲にしても。
貴方だけは、私が助ける。
暗く寒い階段を降りてその奥に進んで行くと、
青白い光を帯びた銀色の大きな扉が。
扉に触れ、大切な物を捧げた先には、“願い”が待つ
扉に触れると誰かの声がして
“総て”を差し出せ?と、言った。
私は頷き、願いを伝えて、“総て”を失う。
“結晶”から放たれゆく貴方は私の腕の中で眠る。
「彼を蘇らせた後に、彼の中から私の記憶を消して。」
あなたに、まだ、きこえていますか、このこえが。
“わたしのいないせかいで、しあわせになって”
きえてしまっても、さけぶよ、あなたを、あいしています、と。