永遠の国 - ハナエ
赤い革表紙の絵本の中には
永遠の国がありました
あなたが何時もそこに居るのは
眼を閉じていても見えました
誰も知らずに
誰にも知られずに
誰のことも知らずに、ただ…
あたしの手で鍵を掛けて
物語は終わった
あたしの手で閉じ込めたんだ
ガラクタ色した綺麗な記憶を
赤い革表紙の絵本の中では
何もかもがきらめいて…
あたしの手で鍵を掛けて
記憶の箱 沈めた
あの続きがもしあったなら
あたしは今頃 何も手にせずに
失いもせずに
赤い革表紙の絵本の中には
永遠の国がありました