難破船 - 中森明菜
たかが恋なんて 忘れればいい
泣きたいだけ 泣いたら
目の前に違うの愛が
見えてくるかもしれないと
そんな強がりを 言ってみせるのは
あなたを忘れるため
さびしすぎて こわれそうなの
私は愛の難破船
折(お)れた翼(つばさ) 広げたまま
あなたの上に 落ちて行きたい
海の底(そこ)へ 沈(しず)んだなら
泣きたいだけ 抱いてほしい
ほかの誰かを 愛したのなら
追いかけては 行けない
みじめな恋つづけるより
別れの苦しさ えらぶわ
そんなひとことで ふりむき(振り向き)もせず
別れたあの朝には
この寂しさ 知りもしない
私は愛の難破船
おろかだよと 笑われても
あなたを追いかけ 抱きしめたい
つむじ风に 身をまかせて
あなたの海に 沈めたい
あなたに逢えない この街を
こんな夜ひとり歩いた
誰もかれも知らんぶりで
無口なまま 通りすぎる
たかが恋人を なくしただけで
何もかも消えたわ
ひとりぼっち 誰もいない
私は愛の難破船