糸蘭-タガイニワスレナイ- - 小林未郁
一粒の雨
滴るは貴方の首筋
刀の先は
心まで貫くでしょうか
(哀れと)待つのはいつまでか
(死体って)より闇は逃げていく
(奏で師)一節の歌
千切れ掛けた糸を這う悲しみや
雲隠れの月
あなたの姿まで
影落とすなら
あぁ今殺してください
はああ
秋雨はやがて
私の涙まで
隠してしまえば
あぁただ
降りしきるまで
汚れに見る月
あなたを二度と
もう触れられぬなら