天体観測 - Sotte Bosse
午前二時 フミキリに
望遠鏡を担いでった
ベルトに結んだラジオ
雨は降らないらしい
二分後に君が来た
大袈裟な荷物しょって来た
始めようか 天体観測 ほうき星を探して
深い闇に飲まれないように 精一杯だった
君の震える手を 握ろうとした あの日は
見えないモノを見ようとして
望遠鏡を覗き込んだ
静寂を切り裂いて
いくつも声が生まれたよ
明日が僕らを呼んだって
返事もろくにしなかった
「イマ」という ほうき星
君と二人追いかけていた
気が付けばいつだって
ひたすら何か探している
幸せの定義とか 哀しみの置き場とか
生まれたら 死ぬまで ずっと探してる
さぁ 始めようか
天体観測 ほうき星を探して
今まで見つけたモノは 全部覚えている
君の震える手を 握れなかった痛みも
知らないモノを知ろうとして
望遠鏡を覗き込んだ
暗闇を照らす様な 微かな光 探したよ
そうして知った痛みを
未だに僕は覚えている
「イマ」という ほうき星
今も一人追いかけている
背が伸びるにつれて
伝えたい事も増えてった
宛名の無い手紙も
崩れる程 重なった
僕は元気でいるよ 心配事も少ないよ
ただひとつ 今も思い出すよ
予報外れの雨に打たれて 泣きだしそうな
君の震える手を 握れなかった あの日を
見えてるモノを 見落として
望遠鏡をまた担いで
静寂と暗闇の帰り道を 駆け抜けた
そうして知った痛みが
未だに僕を支えている
「イマ」という ほうき星
今も一人追いかけている
もう一度君に会おうとして
望遠鏡をまた担いで
前と同じ 午前二時
フミキリまで駆けてくよ
始めようか 天体観測
二分後に君が来なくとも
「イマ」という ほうき星
君と二人追いかけている