彗星-Salyu
彗星は見たこともないけれど
大人になって見れる訳じゃない
約束はそこにはない
無数に延びる 放射状の光り
不確かなもの なぞるようなこの街で
あの日離れてしまったのは今も
大切な記憶 それと足跡さ
あの手のひらから 何かが伝わった
それがどうかしたようにどこかへ消えていった
彗星は見たこともないけれど
にじんでゆく光りのグラデーション
あの時焼き付いてしまった
夕暮れの紫の空のように
瞬きしたらすぐに変わってく
君がずっと好きだった
手には取れないものが夢の中にある
数えきれないほど 見逃していた瞬間
空に言い訳を しても変わらないだろう
弱い自分なら 始めに分かりたい
あの手のひらから 何かが伝わった
それがふっとしたときに思い出せそうになる
眠れない夜が過ぎ 朝がきて
澄んだ空気を吸い込んだ後で
こころの瞳あけるよ
君の手を ゆっくりと握りしめ
咲かないで つぼみなら気を付けて 見守っていただけさ
言わないでいたけれど 涙でも滲んでいた
別れはグラデーション
星は幾つも流れた
孤独と引き換えにでも また明日を探せるだろう