夕陽の丘 - 石原裕次郎
作词:萩原四朗 作曲:上原賢六
夕陽の丘のふもと行く
バスの車掌の襟ぼくろ
わかれた人に生き写し
なごりが辛いたびごころ
かえらぬ人の面影を
遠い他国で忘れたさ
いくつか越えた北の町
目頭うるむたびごころ
真菰(まこも)の葦は風にゆれ
落葉くるくる水に舞う
この世の秋のあわれさを
しみじみ胸にバスは行く
夕陽の丘を見上げても
湖(うみ)の畔りを訪ねても
かいなき命あるかぎり
こころの傷はまた疼く
人の子ゆえに恋ゆえに
落ちる夕陽が瞳(め)にいたい
さよなら丘のたそがれよ
また呼ぶ秋はないものを