憂い星~Seina Ol Ieldan~ - 霜月はるか
そらを統べる国で星を憂う少女
白く透き通る蕾を食む影
花の色はやがて他へ移りゆくの
心に秘めた想い風に乗せて問う
そんな脆い言の葉にも
せかいは宿るのでしょうか
詩の中に隠れていた
遠い日の貴方の声が響く
満たされたグラスの毒を覗き込む
月のよう
呑み込めば奪われていく光は儚くて
愛したい愛したくない
天秤は揺れたまま
懐かしい日溜まりは
もう誰も訪れずに
そらを通り過ぎる星を捨てた翼
昏い瞳から覗いていた陰
もしもその記憶を全て消したいなら
息を止めてしまえば容易いことだと
こんな狡いやくそくにも
せかいは優しいでしょうか
檻の中で笑いながら
最後まで貴方は嘘をついた
砕け散る鏡の部屋に映り込む刻の果て
願うほど失っていく女神の悪戯よ
囁けぬ愛の代わりに花片を手放して
永遠に私は誓う何も求めないと
優しさを溶かした夜の朧げな月は欠け
一瞬で奪われていく貴方の面影を
忘れたい忘れたくない
亡骸は濡れたまま
懐かしい日溜まりに咲く花に口づけても
罪は償えない