泣けるほど逢いたい-松下奈緒
手を振ろうとした 人混みの中で
あなたは気がつかない 坂を上ってく
夕暮れにとけて 小さくなる背中
寂しくて消えそうよ 交差点の上
他の誰かを 愛するなんて まだ出来ない
あなたが今は遠く見える いつかきっと見えなくなる
手を伸ばしても 叫んでも
離れておぼえた強がりは 心の奥にしまうから
あの日のように 泣けるほど逢いたい
泣けるほど逢いたい
「変わらずにいよう」 そんな約束も
嘘に変えてごめんね 電話も出られず
臆病だった そんな私を 叱って欲しい
二人で歩いたこの街は 何もかも違って見える
知らない場所に いるように
あなたの仕草たったひとつ 思い出せなくなる前に
ねえもう一度 やさしさをあつめて
やさしさをあつめて
どうして素直に どうしてもっと早く
どうして気づかなかったの
あなたが今は遠く見える
いつかきっと見えなくなる
手を伸ばしても 叫んでも
離れておぼえた強がりは 心の奥にしまうから
あの日のように 泣けるほど逢いたい
泣けるほど逢いたい