或る女…或る日 - 山口百恵
つかむ腕をすりぬけて
胸の内をひるがえし
ヒールを鳴らして
すばやく逃げる
引き止めるのは
赤に変わるシグナル
ふりむいたら負けになる
あやまったらうそになる
今度こそお別れね
息を切らし角を曲ると
ドアあけてさりげなく待っている
ブルンブルンブルン
乗れ!
とばかりにアクセルを
ブルンブルンブルン
ひとり強気にふかしてる
MU………MU………
かけひきならさみしいわ
だまされるの好きじゃない
小耳にはさんだ勝手なうわさ
まにうけるなら
二度と逢いに来ないで
ひとり部屋に鍵かけて
銀のブレスはずしたら
こんなときアレコレと
おもい悩むなんてよくない
つまらない
一日は流したい
ザーザーザー
指に力をこめながら
ザーザーザー
熱いシャワーで髪洗う
レコードのボリュームを
おもいきってあげたその時
ひとしきりくやしさがこみあげる
リーンリーンリーン
電話が何度も鳴ってる
リーンリーンリーン
少し気持がぐらつくわ
MU………MU………