うみてんぐ - 青葉市子
背中に小さな羽根が生えている
思い出しては忘れ
繰り返し 生きてしまう
雨粒がきらきら光って
チョウチョが透ける
鱗粉のカーテン
記憶の風向きを見ている朝日
現れては消え 漂い
繰り返し 惑わせる
正しさを失いながら
危うさに救われてゆく
気怠い午後に目覚め
影のような人々に話しかける
ね 時間は何処に流れつくのだろう