ルール違反 - 加治ひとみ
涙が雨に混ざって歪む
タクシーの窓ふと思い出す
「今日は帰れない」君の一言に
幸せの意味がわからなくなるよ
この広い部屋にはじめから
居場所なんてなかったんだね
ああ今更気づいたフリしても
もう引き返せないトリカゴの中
愛し方を間違えたの
少し気の強い自分に戻りたくて
君じゃない誰かとなんて
ホントルール違反
確かめたくて
もっと感じてたくて
また失って
エントランスの鏡別人映す
使わないと決めた鍵握って
灯り消えた部屋
差し込む街頭の光
不安な夜瞳閉じるよ
不確かなものを集めても
この手すり抜けてく砂のように
ねぇ本当に大切なものを
守り抜けるような強さがほしい
同じ夢を見ていたいのに
取り残されたように
私はここにいるよ
君じゃない誰かとなんて
ホントルール違反
まっすぐな瞳で
いつか曖昧な全てを
捨てられたなら
寂しさに耐えられるほど
大人になれない
あなたにすがりつけるほど
子供にもなれない
でも目の前にあるこの愛は
信じたいそれだけなのに
愛し方を間違えたの
少し気の強い自分に戻りたくて
君じゃない誰かとなんて
ホントルール違反
確かめたくて
もっと感じてたくて
また失って