散花の祈り - 今井麻美
詞:花岡環 曲:花岡環
闇に耀(かがよ)う空の 月に照らされ
行き場のないこの気持ちが 私を襲う
時の風忘れて 故郷も忘れて
ただあはれな世界に身を委ね 幸福の日々へ
羽衣舞う事など 言えぬまま心閉ざす
静かに運命(さだめ)を待つだけで
涙ひと粒 夜空にきらりきらりと
限りの有る浮き世の
なげき悲しみ 震える声さえも
ありがたきもの
朧に見える雲 光の梯子
過去のうたてしき契(ちぎ)りに 縛られ 罷(まか)らむ
心引き裂かれて 燃ゆる炎 恋しい夜は
瞳(め)を閉じ 歌を詠む いにしえの君へ
儚く消えてゆく 色付いた樹々の葉音(はおと)
宿世(すくせ)に従い 歩み出す
花びらひとつ 天空(そら)からひらりひらりと
十五夜 さらぬ別れ
触れる指先 その瞬きさえも
愛おしいもの
どうして 惜しかろうか
千年先も在り続けること
君がいないなら 皆捨ててもいい
叶わぬ思い馳せ 不死山(ふじやま)
涙ひと粒 夜空にきらりきらりと
限りの有る浮き世の
なげき悲しみ 震える声さえも
ありがたきもの
無常の輝き