名もない花
高垣彩陽
儚くたたずむ 名前も知らぬ花に
あなたはそっと微笑んだ
幾重にも 積み重なる
暗闇の中 見つけた光は
きっと…
あなたの笑顔で あなたの言葉で
どれほど救われただろう
守りたいものを 手にした私は
今とても強くて
忘れたくない この想いを
小さな背中に 抱えた孤独な空
分け合う 優しさに触れて
胸の奥 隠していた
弱さが今誓いへと 変わった
たとえ…
どんな悲しみも どんな傷みでも
此処に受け止められるよ
不器用だけれど 抱きしめる腕は
もう迷わないから
降り出す雨を さえぎるように
そして…
どんな明日へも どんな願いへも
共に歩いてゆけたら
夢を見ることを 覚えた私の空は
とても青く
名もない花が 風に揺れる