小動物的反動形成
ELEKITER ROUND φ
いつも見慣れてるこの狭い部屋
代わり映えの無い朝
隣に誰がいるのかも知らず
大口開けてあくび
ここに住み始めてから半年間
誰もが口々に
硝子を叩きながら
可愛いという
見せもんじゃねぇ
猫ってなんだ
俺の事かよ
あの男は誰だ
ひと時だけの優しさなら
願い下げだ
いつもただ独り
もし俺を見つめて
生きる意味と本当の愛をくれれば
少しだけなら
甘えてもいい
何もかもが新しく眩しい
太陽が昇る朝
あいつより一足早く起きて
澄んだ空にひと鳴き
呆れるほど広く静かな部屋に
俺の声が響く
枕元に飛び乗り
いつまでも
寝てるんじゃねぇ
水だけじゃもう
腹が減ったぜ
ありえないくらいの
不思議な我が儘を笑顔で
許しながら
鼻を近づける
溢れ過ぎる愛と
価値を俺にくれたのはお前だから
ほんの少しだけ
優しく鳴いた
星が舞い
部屋には闇
なんでだよもう
捨てられたのか
嗚呼明かりと共に
眠れない心を底から
癒していく
お前ただひとり
喉震わせながら
いつも素直になれない俺だから
別に寂しいわけじゃないのさ
でも今だけ
甘えてもいい